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2012年7月5日木曜日

外国小説の良さについて

僕は何かとヨーロッパにかぶれているところがある。
小説は外国の小説ばかり読むし、音楽は洋楽が中心、テレビ番組はBSで放送している外国のニュースやドキュメンタリーが好きだ。ついでに言えば、あらゆる料理の中でイタリアンが一番飽きないし、酒は弱いけどワインは比較的酔わない。

小説については、何も日本の小説が嫌いなわけではない。
まず僕は、現在話題になっている最新の小説よりも、名作として長い間親しまれている作品を読むのが好きだ。そうなると、古典といわれる作品から、新しくともせいぜい20世紀の小説までが中心となる。

ここで、日本の小説と翻訳された外国の小説との違いが出てくる。
名作と呼ばれるような日本の小説は、昔の言葉づかいが今でもそのまま使われていることが多い。作者の書いた言葉による微妙なニュアンスなんかを大切にしているからだろう。しかし、そうなると、読んでいてどうしても古臭く感じてしまう。
日本の小説でも、現代風に訳した作品などが登場するが、あくまでそれは「解説本」という位置づけになってしまう。そもそも、数が少ない。

ところが、外国の小説には「翻訳」という作業が間に入る。そして、翻訳は定期的に刷新され、現代に合わせた言葉遣いなどに修正されるのだ。
名作ともなれば、複数の出版社がそれぞれに特徴ある翻訳をしていることが多く、必ずと言っていいほど現代風に訳した親切な文庫本などが手に入る。

つまり、外国の小説ならば、それほど違和感なく歴史的な名作を楽しむことができるのだ。





洋楽が好きなことには、また別の理由がある。
洋楽といっても、僕がよく聞くのはイギリスのロックだ。
古くはビートルズから、レッドツェッペリンピンクフロイドブラックサバスセックスピストルズ等々。リアルタイムで聞いていたものでは、オアシスレディオヘッドアークティックモンキーズあたり。
これらはもう、気に入ったものを数珠つながりにどんどん聞いていったら、気が付いたらイギリスの音楽が好きだとわかったというものだ。
ちなみに、その出発点はローリングストーンズだ。
また、日本の音楽より洋楽が好きな理由は一つ。それは、歌詞が英語だと、歌声も一つの楽器のように感じることができ、曲を聴いているときに純粋に音を楽しむことができるからだ。
一応ちゃんと伝わるように説明してみたが、きっとうまく伝わっていないと思う(笑)。
まあ、とにかく、「英語の響きっていいなあ」ということだ。つまり、西洋かぶれなのだ(笑)。

まあしかし、ロックの歴史を創ってきたのはイギリスと言ってもいいくらいなので、本場の音楽を楽しむのは良いことだろう。カリフォルニアロールより納豆巻きの方が旨いのと同じことだと思う(笑)。





とまあ、僕の西洋かぶれにはいろいろと理由がある。
ちょっと考えてみれば、単純に、異質なものに対する好奇心が強いのかもしれない。
それと、たとえば小説なら、作品の背景にある人々の日常や彼らの考えなどが見えないことが逆にいいのかもしれない。

どんなにすごい人でも、実際に会ってみて、話をして、彼の日常を見たなら、親近感がわくだろう。
自分と同じように悩んでいるし、下らないことを考えているし、食べ物の好き嫌いもあるだろうし、人に言えないような失敗もしている。
日本の作品を見ていれば、時代は違っていても作品の背景にある世界がイメージできる。風景や人の顔、細かな感情も把握できる。

一方、外国の作品となると、それが難しくなる。
旅行などで一度や二度訪れたことがあるならまだしも、一度も行ったことのない遠い国の話をされても、何がなんだかわからない。
でも、それが逆に良いのだと思う。
すべて自分で想像して、作品の背景にあるものをイメージしなくてはならないのだ。
言い方を変えれば、読む人によってまったく異なる作品になりうる。

もしくは作品そのものが抽象的なものになると言えばいいだろうか。
遠い国でわけのわからないカタカナの名前の人間が、笑ったり怒ったり事件に巻き込まれたりする。
しかし、まったく知らない国の話なのに、ところどころ共感できるところや、自分の国と似たところ、自分の国の人間と似たところなどが見える。

そういうものを足掛かりに、想像力を働かせて、遠い国の世界を頭の中で創造してみる。
これも、僕の西洋かぶれの理由の一つだ。

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